体臭を消すための香水の使い方
現代では、体臭を予防する事も対人関係においてのマナーの一つとまでなってきました。
その中でも顕著なのが香水で、営業のサラリーマンの男性の中には、取引先に行く前には香水を使用するという人もいます。
女性ならファッションの一つとして香水を利用している人は珍しくありませんが、男性で香水を利用するというのはそれがビジネスとは言え、やっぱり時代の移り変わりを感じさせますね。
ただ、この背景にはマナーだけでなく、社会における欧米化の影響も少なからずあるのではと思われます。
何故なら欧米では男性でも女性でも、体臭の予防を兼ねて香水を利用する事が普通だからです。
言ってみれば香水を利用する習慣は欧米化の影響が強いとも言えます。
何故なら日本人の多くは香りに関して敏感です。外国人に比べて強い香りを、悪臭として捉えてしまう傾向があるからです。
とあるメーカーが外国で人気の香りのフレグランスを日本で販売したら、男女共に『臭い』と酷評を受けたという報告があるくらい外国人と日本人の香りへの意識、好みは違うのです。
それを踏まえた上で、体臭を香水で改善する事はできるのか。今回はそれをテーマに考えていきましょう。
どうして香水が利用され始めたのか
その前に少し、香水の歴史をご説明させて頂きましょうか。
香水の始まりはフランスの王侯貴族から、と言われています。
当時フランス王族貴族は滅多に着替えず、お風呂にも入らない生活を送ってきました。
また肉食文化はタンパク質の過剰摂取により、体臭を強くさせます。その二つが重なり、かなりの悪臭であった事が予想されます。
これを誤魔化す為に、香水が生まれ、活用されてきたのです。
これが香水の歴史です。
日本でも古くから香を焚くなどの香り文化はありましたが、あれはどちらかというと『香りを楽しむ』事を目当てにしており、西洋ではより『消臭』を目的としているんですね。
良い匂いを香らせて楽しむか、より強い匂いでマスキングを行って臭いを隠す為に使用するのか……その経緯からも、匂いに対する感じ方が日本人と外国人ではかなり違っているという事でしょう。
それを踏まえた上で、香水は体臭改善に効果があるのかないのか。
次にその質問にお答えしたいと思います。
香水は体臭改善に効果アリ?ナシ?
結論から言うと、香水は体臭改善に効果は無いと言えます。
体臭といってもあまり強くない体臭なら、香水を使う事である程度の誤魔化しは効きます。
日常的に香水を使用する事で体臭と馴染み、特有の匂いへと変化していくからです。
だから自分の体臭に合う香水を選んで使用する事が出来れば、体臭をカバーする事は可能と言えます。
ですがこれは『自分の体臭に合う香水を見つける事』と『体臭があまり強くない事』が前提的な条件です。
体臭が強い場合は、その体臭を誤魔化す為にかなり強い香水を選ばなければいけなくなります。
そして前述した通り、日本人は香りに敏感で強い香りを『悪臭』と捉えます。
つまり香水で体臭が誤魔化せたとしても、今度は強すぎる香水の匂いが『臭い』と感じさせてしまう訳ですね。
これでは根本的な解決策にはなりません。寧ろ香水の付け過ぎとして、マナー違反になる事も考えられるでしょう。
最悪のケースとして、香水の強い匂いに体臭の強い臭いが混ざり合う場合はどうでしょうか。
経験がある人は分かるかもしれませんが、強い体臭の人が更に強い香水を付けた場合、相乗効果で酷い悪臭となるケースが良くあります。
分かりにくい方は、デパートの化粧品売り場が並び立っている所を想像して下さい。
一店舗一店舗、一つ一つの化粧品として香りを嗅ぐとその香りはあまり強くはありません。
寧ろ微香性の物が多いでしょう。
しかしそれらが並び立つと全てが混ざり合い、凄い臭いに感じます。言い方は悪いですが、悪臭とも言えます。
それのもっと酷いものが自分の体から放たれている……想像するだけで、状況が分かるかと思います。
外国発祥の香水は体臭と混ざる事を前提としていますので、体臭の強い人ほど効果は期待出来ません。
状況が悪化する事も考えられる、と言うべきでしょう。
これらの観点から考えるに、香水はある程度の体臭への『誤魔化し』は効果があるけれど、根本的な『体臭改善』には効果がない、と言えるのです。
ただある程度の体臭に効果がある事から考えるに、体臭を改善した後なら利用する事でメリットは大きくなります。
例えば生活習慣、食生活の改善による、脂肪臭やアンモニア臭の改善。
体、特に毛穴の洗浄の仕方の間違ったやり方で臭いを悪化させてないか。
また汗を定期的にかかないと老廃物が汗をかく度に一気に排出されて臭いがキツくなる……体臭は、その人が気を付ける事でだけでも、ある程度までは改善する事は可能です。
それでも少しは臭いがある……そういった時にこそ、香水を適度に利用していく事が、香水の賢い利用の仕方なのです。
香水は香りを楽しむためのもので消臭効果を期待してはいけないのです。
体臭対策としての香水の選び方
男性の場合、特に中年を迎えた後の加齢臭に伴う体臭に対しては、甘い香りの香水はムワっとした印象になってしまうので余計に迷惑な匂いをまき散らすことになります。
ジンジャー系などのピリッとした辛口の香りのあるものを選びましょう。
女性についても、やはり甘すぎる香水は逆効果なので柑橘系(レモンやグレープフルーツ)やウッディ系の香りを中心としたさわやかな香りのものを選ぶことが無難です。
どちらにしても、香水を使う際にはお肌を清潔に保つことがもっとも大切なので常に意識していきましょう。
体臭対策に香水を利用するなら
香水と一口に言ってもその持続時間には注意が必要。
例えばオーデコロンは持続時間が1~3時間ほどですが、オードパルファンだと5~6時間ほどと、かなり持続時間が違います。
また良く髪につける人がいますが、匂いが拡散されがちなので止めた方が良いでしょう。
それと手首に付ける方法も、食事などの邪魔になりますのでケースバイケースで付ける位置を変えて下さい。
顔やワキや背中は悪臭になってしまう場合があるので注意が必要です。
仄かに香るくらいなら、オーデコロン、もしくはボディクリームなどがほんのりと辺りに感じる、位の良い匂いがしまうので試してみて下さいね。
あくまで香水は控えめに、体臭改善を目指すなら自分の体の内側からの改善を目指しましょう。
それでも体臭対策として香水を使用したい場合には利用箇所を限定して適量をきちんと守って使用することをお勧めします。
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