アンモニア臭が強い体臭の原因と対策
体臭を強くしてしまう物質の1つに、アンモニアがあります。
汗のにおいとも違う、古い皮脂のにおいとも違う、独特のツンとしたにおいがする場合は、もしかしたらアンモニアが体臭に混ざっているのかもしれません。
アンモニアはタンパク質代謝経路において体内で発生し、肝臓で尿素等の別の物質に変換された後に腎臓を通して尿と共に排出されます。
この機能が正常に働いている場合は問題ありませんが、量が多過ぎる場合や内臓機能の低下によって変換が進まない場合、水溶性・揮発性の物質である事から汗に混じったりするようになります。
アンモニア臭は尿などに代表されるように、人間にとっては不快に感じるニオイの一種。
それが体から常に臭うことは本人に想像以上の苦しみをあたえるものです。
しかし、それは体からのSOSサインかも。
それでは、なぜアンモニア臭が強い体臭になるのか、その原因とすぐに始めたい対策方法をご紹介します。
1.アンモニア臭は体の『疲労臭』
アンモニア臭が強い体臭は別名『疲労臭』とも呼ばれています。その名の通り、体の疲れや内臓の機能の低下などの原因でアンモニアがうまく分解されずに体内に残留し、汗と混ざって肌から分泌されることで、独特の刺激のあるアンモニア臭を発するようになるのです。
つまり、アンモニア臭が強い体臭とは、アンモニアが多く含まれた汗のニオイなのです。
そのため、しっかり入浴し体を洗って清潔にしても、また汗をかけば自然とアンモニア臭がきつくなってしまうのが『疲労臭』の厄介な点。
そのニオイを抑えるために、消臭スプレーや香水などをつけると、アンモニアと混ざってさらにひどいニオイとなるため、根本的な改善が必要です。
根本的な改善を行うためには、まずなぜアンモニア臭が強い体臭となるのかの原因を理解することが不可欠です。
2.アンモニア臭がする原因
具体的にアンモニア臭がする汗が出る原因をご紹介します。腎臓機能の低下
血液をろ過して、不要な老廃物を排出する腎臓の機能が低下すると、血液中に含まれるアンモニアが多くなり、汗に含まれる量もふえてしまいます。肝臓機能の低下
代謝や解毒を行う肝臓機能が低下することで、通常ならば尿として排出されるアンモニアがうまく排出されずに血液中に多く含まれるようになります。血行(めぐり)の悪化
体中の血行が悪くなることで、栄養や酸素の運搬が不十分となって乳酸を作り出します。この乳酸が血液中のアンモニアと結合し、汗とともに分泌されてアンモニアくさくなります。
汗腺機能の低下
慢性的な運動不足やエアコンの使い過ぎによって、汗をかくための汗腺の機能が使われずに低下することで上手に発汗できなくなり、老廃物を溜めこみやすくなります。そして、汗をかいたときに蓄積されたアンモニアが汗に多く含まれてニオイを発するようになります。
腸内環境の悪化
本来なら便としてスムーズに排出されるはずの便が長く腸に留まることで、アンモニアが血液に吸収されて身体をめぐり、臭い汗として出てきます。このように、アンモニア臭がする汗は、内臓機能の低下に深く結び付いています。
汗が尿のように臭いと感じたら、身体からのSOSと考え、すぐに対策を取りましょう。
3.アンモニア臭が強い体臭を抑える方法
それでは具体的にアンモニア臭が強い体臭を抑える方法をご紹介します。食事と生活習慣を正す
すぐに取り組みたいのが、原因となる腎臓や肝臓の機能低下を改善するための食事と生活習慣の改善です。まず、食事は腎臓や肝臓に負担の少ない野菜中心の栄養バランスの取れた内容に早急に変えましょう。
野菜を多くとることで、食物繊維をしっかり摂ることになり、便秘など腸内環境の悪化を改善することにもつながります。
また、ビタミンやミネラルもしっかり摂取でき、ドロドロ血液を改善し、血行(めぐり)も良くなっていくことでしょう。
特にオススメなのが、アンモニアの分解を助けるオルニチンを多く含むシジミ、乳酸を分解して疲労回復効果も期待できるクエン酸を含む梅干などです。
クエン酸には肝臓の機能を整える効果があり、結果的に汗の中に含まれているアンモニア臭も抑えることができます。
そして、睡眠不足や喫煙・飲酒など体に負担を掛ける生活習慣もすぐに直してください。
運動をする
適度な運動をすることで、筋肉をつけて基礎代謝を上げるだけでなく、スムーズな血流を促すことができます。また汗をかく機能を高める効果もあり、アンモニア臭のする汗をかきにくくなります。
いちなりハードな運動は体に負担がかかる上に長続きしないので、最初は家の周りのウォーキング等の軽い有酸素運動から始めましょう。
また、汗腺機能を低下させ、体温調節機能の衰えにもつながるエアコンは極力使わないことも心がけましょう。
しっかり入浴する
忙しかったり疲れているとついついシャワーだけで済ませてしまう人も多いのですが、これは厳禁です。湯船にしっかり浸かることは、肌を清潔に保つためだけでなく、血行を良くし、汗腺機能を高めるためにもとても重要なこと。
熱いお湯ではなく、ぬるめのお湯にゆっくりしっかり浸かるようにしましょう。
しっかり入浴すれば、自然と体も適度にリラックスして、良質な睡眠を取ることにも役立ち、睡眠不足の解消にもなります。
また、コップ一杯程度のお酢をお風呂に入れると体臭対策に効果があります。
お酢に含まれるクエン酸が皮膚から吸収されますので、アンモニア臭を抑えることができる以外にも、血行の流れを良くすることも可能です。
4.即効性が期待できるミョウバン水
アンモニア臭の強い体臭を消すには、天然のデオドラント剤と言われるミョウバンを使ったミョウバン水の使用もオススメです。アルカリ性のアンモニアのニオイを中和するのに酸性のミョウバンを使って消臭するのは非常に合理的なのですが、そのほかにもミョウバンには制汗効果もあるので、汗に含まれるアンモニアが臭う場合に汗を抑えてニオイを出にくくしてくれます。
また殺菌・抗菌効果もあるため、アルカリ性を好む雑菌が皮膚で増殖することを抑える効果も期待できます。
(ミョウバン水の原液の作り方)
・500mlのペットボトルに水500mlと焼きミョウバンを15gいれる
・蓋をして振り、よく混ぜ合わせる
・透明になるまで1日~2日程度寝かせる
ニオイが特にきつい場合は、水ではなく緑茶を使うと緑茶カテキンによってさらに消臭効果もアップ。
出来たミョウバン水の原液は冷蔵庫保存で2週間程度です。
使う前には必ずパッチテストをしてください。
この原液を10倍にして薄めて使います。
全身に使いたい場合は、洗面器に薄めたミョウバン水を入れて体に掛けます。
特にワキや背中などニオイが強く気になる場所にはスプレーボトルに詰め替えて直接吹きかけましょう。
さらにミニスプレーボトルを携帯しておけば、外出先でも汗をかいたときなどすぐに吹きかけて消臭することができます。
5.まとめ
体からトイレのニオイがするとお悩みの方、それは内臓機能の低下などの体から出される危険信号かもしれません。汗がアンモニア臭いからといって体の表面だけをきれいに保っても、根本原因を正さなければ再び自然と出てくる汗によってアンモニア臭くなってしまうので無意味です。
まずは当座はミョウバン水を使って消臭しながら、ご紹介した対策方法を取り入れ、汗にアンモニアが含まれないよう内臓機能を正常化させるようにしましょう。
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